「民泊」＆「マンスリー」のハイブリット運用戦略

2018年6月から「民泊新法」が施行されるに伴い、民泊やマンスリーマンション・サービスアパートメントを経営される方は、どうやったら収益アップができるのか…と考えることと思います。

民泊新法の施行によって何が変わる？

民泊新法によって、Airbnb, Homeawayなどの民泊予約サイトは、掲載物件に民泊届出番号があるかを確認し、毎年2回予約情報を観光庁に報告することが義務付けられました。物件オーナーにおいては、予約情報を2か月に1度提出する必要があります。さらに、民泊での営業日数の上限は最大180日と制限されています。（もし近隣住民や住宅管理者等からクレームがあれば、その都度180日以上営業していないかチェックをされます。）そのため、不動産オーナーが利益を最大限にするためには、物件を民泊だけでなく、マンスリーマンションとしても売り出すことが鍵になります。民泊メインで運営している物件オーナーは180日の上限があるため、不動産収入が半減する一方で、サービスアパートメントやマンスリーマンションを運営している不動産会社にとっては、この民泊新法はチャンスなのです。

民泊新法の施行に伴って、物件オーナーは家賃収入マネジメントを考え直さなければなりません。そこで問題になるのが、「マンスリーと民泊予約を同時に行う方法」です。例えば、ゲストAさんが2/15～2/18までの3日間の予約を先にしたなら、1/1～3/31までの3ヶ月をマンスリーで入りたいゲストBさんの予約を受けることができなくなります。民泊とマンスリーを同時に出すと、より長期で入ってくれるゲストを見過ごしてしまう可能性が出てくるのです。

メトロレジデンスでは、物件オーナーが民泊とマンスリーの両方を併用し、収益を最大限に上げることができるような戦略を考えています。今回は、ビル所有者・不動産管理会社と個人経営のオーナーが、それぞれどのような戦略を考えるのがベストなのかを見ていきましょう。

ビル所有者・不動産管理会社の場合

マンスリーマンションやサービスアパートメントが10部屋あるとすると、5部屋を民泊用・残りの5部屋をマンスリーとして貸し出すやり方がシンプルなやり方です。そうすると、マンスリーと民泊の利用状況を比べながら調整することができます。予約管理ツールを使うと煩雑な運営が楽になります。1つ1つの稼働率を上げ、かつ180日以内で運営をするのにツールでの管理は欠かせません。

個人経営のオーナーの場合

民泊を個人で所有している人は、自分の家の一角を貸し出していることが一般的かと思います。できるだけ多くのゲストに提供したいところですが、お部屋の数には限りがありますよね。そんな中で、どのように運用していけば一番良いのか考えていきましょう。

①マンスリーでの予約を優先

マンスリーの予約を優先し、空いた日を民泊で埋めるやり方です。マンスリーでの平均滞在日数は1ヶ月～3ヶ月と、安定した収益を得ることができるためオススメです。例えば、マンスリーマンションとして1/1～3/31と5/1～6/30までの２つの予約が入った場合、4月は民泊の予約を受け付ける、という方法です。
マンスリーを優先させると稼働率を最大化させることができます。メトロレジデンスで運営している物件は、80％をマンスリー・20％を民泊で併用して運営し、平均90％の稼働率を達成しています。

②民泊（デイリー）での予約を優先

デイリーでの予約を優先させたい場合、1年間のうち旅行者の多い約6ヵ月間をデイリーにし、残りの月をマンスリーで併用する方法がおすすめです。

この方法だと民泊の予約を最大化させることができますが、4月から始まるビジネス利用の需要ピークは逃してしまう可能性があります（一般的に東京の旅行シーズンは4-9月のため）。また、多くの会社でクリスマスや年末年始は休みになり、従業員が帰省・帰国をするため、12月下旬はマンスリーマンションでは空室が出てしまうかもしれませんが、その際は民泊で調整するのが良いでしょう。
民泊の時期を6ヶ月連続ではなく、断続的に開放するのはあまりオススメしていません。というのも、マンスリーマンションの平均滞在日数は1ヶ月～3ヶ月ですのでマンスリーでの予約を受けられない可能性があるからです。また、マンスリーでは空室が出てしまう月（例：12月）に、マンスリー予約でちょうどぴったり空いている日（例：12/24～12/31）に宿泊する人を探すのが難しいからです。