年々日本を訪れる外国人が増えてきて、日本全国どこの観光地でも外国人を見かけるのが当たり前になりました。しかし普通に暮らしていると、街中で外国人を見かけることがあってもなかなかコミュニケーションを取るきっかけがなかったりするのではないでしょうか。
しかし、今ではそんな外国人たちと気軽に交流できるアプリやサービスがたくさんあるのです。
今回は日本にいながらにして外国人の友達を作る方法についてお話ししていきます。
外国人の友達を作って世界を広げよう
日本を訪れる外国人だけではなく、在留外国人も年々増えてきていて、今後は観光地だけでなく日常の仕事や生活の中で外国人とコミュニケーションをとる機会がある人も増えるかもしれません。
そんな中で彼らのことをもっと知りたい、仲良くなりたいと思っている人も少なくないようです。
外国人の友達をつくることで、あなたの人生に新しい価値をもたらしてくれるかもしれません。
たとえばどんな影響があるのか、みていきましょう。
・様々な価値観・文化を触れることができる
日本人にはない様々な価値観や文化に触れることができる点も、外国人の友達を作る上での大きな財産となります。
もし、日本に住んでいて何か生きづらさを感じていたり、毎日の仕事や勉強に行き詰まりを感じていたりする場合は、普段接している人とは違った物事の捉え方などを知ることで、自分自身の視野を広げるきっかけになるかもしれませんし、悩みも吹っ切れるかもしれません。また、外国人の価値観・文化を知ることによって、豊かな教養を身に着けることもできます。
日本人にとっては疑問に思うような言動も、実は文化の違いによる誤解やすれ違いだったというケースもあります。また、逆にその国のルールでは相手に対して失礼だとされることを、私たちが知らないうちにしていることもあるかもしれません。
多様な人種や国籍の人たちと触れ合うことで、異文化に対して寛容になり、外国人と接する上でのマナーや気遣いを心得たスマートなふるまいもできるようになるでしょう。
・日本の魅力を改めて再認識できる
日本に来ている外国人であれば、日本に少なからず興味を持っている人々も多いことでしょう。そんな訪日・在留外国人と親しくコミュニケーションをとる仲になれば、日本の文化や風習について質問される可能性もあります。日本人のあなたが普段はあまり意識していなかったようなことに改めて気付かされるかもしれません。
ありふれた観光地でさえも外国人の友人と行くと、意外なところに感銘を受けていたり、興味を持っていることもあります。
歴史的建造物や伝統工芸にみる職人の丁寧なものづくりや、ごみの少ないクリーンな街並み、誠実なふるまいなど、改めて外国人から日本の魅力について聞くと誇りに思うことも多そうです。
・多様性に対応できる力「CQ」
多様性に適応できる力という指標として、CQ(Cultural Intelligence)と呼ばれるものがあります。近年ではIQ(知能指数)やEQ(こころの知能指数)と並んで、CQの重要性が高まっていると言われているのです。CQが高い人は国籍や民族、宗教、性別、年齢など様々なダイバーシティ(多様性)のある環境においても円滑なコミュニケーションが取ることができます。
残念ながら日本人はそのCQが世界の中でも比較的低いそうです。日本はアメリカのような他民族でもありませんし、ヨーロッパのように国が陸続きになってもいません。言語や宗教も基本的には1つです。
しかし、少子高齢化社会という大きな課題の中で、国内市場の縮小による企業の海外進出や国内労働力の減少による外国人労働者の増大が進み、グローバル化が進んでいくことは間違いありません。そこでCQ値の低い日本人であってもグローバル化に対応できるよう、あらゆる多様性を受け入れられる社会を目指していく必要があるのです。
・グローバルに活躍できる文化的知性が身につく
先ほども述べてきたように日本のグローバル化が進み、日本企業がグローバルな人材を求めることも多くなってきました。近い将来、企業の海外進出や国内外国人スタッフの増加により、国籍の違う人々と一緒に働いたり、日本から海外のスタッフを管理する可能性もあります。
先ほど紹介したCQは別名「文化的知性」と呼ばれ、グローバル化が進む社会においては、異文化にすぐに適応できる能力CQが高い人々ほど世界で活躍ができるとされています。例えば、普段から親しくしている外国人の友達がいれば、日本との価値観や文化の違いを理解し、寛容さを持ってコミュニケーションをすることができる可能性は高くなるでしょう。自分と違う価値観を持つ人々に対してすぐに否定的になるのではなく「そんな考え方もあるのか」と思えば、「異なる点」でさえも興味深いと思うことができます。しかし、外国の人々と触れ合ったことがない人にしてみれば、全てが異質で受け入れるまでに時間がかかってしまうこともあるかもしれません。
様々な外国人の友人を持つということは、グローバルに活躍できる文化的知性を身につけるチャンスでもあります。もし、グローバルな人材を目指している人々がいれば、語学力だけでなく普段からこの文化的知性を身につける意識することをオススメします。
そうは言っても外国人とコミュニケーションをとる機会があまりないという人もいるでしょう。
ここからは、日本にいながらにして外国人と知り合う方法をお伝えしていきます。
外国人と知り合う方法
・国際交流パーティーへ行く
日本人と外国人との交流を目的にしたパーティーが多く開催されています。大使館が主催しているパーティーから野外フェスのようなカジュアルなイベントまで、たくさんの情報が出ているため、どこにいったらいいかわからないと迷ってしまうかもしれません。
例えば自分の趣味に合ったイベントへ行くと、共通の趣味を持つ友達ができる可能性があるのでオススメです。
継続的に国際交流を主宰している団体も多いなので、気になるところがあればFacebookをフォローしてイベント情報をチェックしてみましょう。
また「meetup」というアプリサービスでは様々なイベントを検索できるので、たくさんのイベントの中から気軽に探すことができます。
meetup
・英会話カフェなどへ行く
英会話カフェは英会話スクールとは少し違い、カジュアルな雰囲気の中で英会話が楽しめます。
また、英会話スクールに比べたら非常に安価です。英会話スクールは月謝制やチケット制で月1万円以上はかかりますが、英会話カフェは参加したい時に都度払いすればいいのでまとまった費用が必要ありません。また、スクールではテキストを使って講師が授業を進めていきますが、カフェでは話すテーマが決まっている場合がありますが、基本的にフリートークで自然な会話をしていきます。そのため、自然な英会話でのコミュニケーションが実践できます。
以前に英語の勉強し最近喋る機会がなくなった人、TOEICなどの勉強をしていても実際の英会話に自信がない方など、外国人の友達を作る前に自分の英会話力をアップしたい人には英会話カフェはオススメです。
・外国人のいるバーやパブへ行く
ブリティッシュバー・パブ、アイリッシュパブなども多く日本にあり、そこに外国人も多く集まっています。中でも、外国人観光客に人気なのが新宿のゴールデン街。小さな店内で日本人の常連と外国人観光客が交流している姿を見るのは珍しいことではなくなってきました。
また、スポーツが好きなら、外国人が多く集まるスポーツバーもおすすめです。サッカーやラグビーなど白熱した試合を見ながら、気づいたら近くの外国人と盛り上がっているということも。特にワールドカップやオリンピックは多くの人が観戦にくる一大イベントです。
ぜひスポーツバーへ行って外国人と仲良くなるきっかけを作りましょう。
・スマホのアプリを利用する
外国人とやりとりができるアプリも最近では増えてきています。オンラインで気軽に交流ができる点が魅力です。
-Hallotalk
Hallotalkはランゲージエクスチェンジのアプリです。ランゲージエクスチェンジとはお互いの母国語を教え合うというもの。Hallotalkではランゲージエクスチェンジのパートナーも探せますし、覚えたい語学のコミュニティに所属して、ネイティブスピーカーの人々に自分のライティング内容を添削してもらうこともできます。多言語対応しているので英語以外の語学の学習も可能です。
語学を教えあっているうちに相手のことや相手の国のことに詳しくなり、仲良くなることもあるかもしれません。
https://www.hellotalk.com/?lang=ja
-meetup
meetupはイベント情報が満載のアプリ。世界で2700万人の人々に使われており、世界各地で同じ興味・関心を持っている人々とリアルに知り合うことのできる機会を提供しています。
日本でもアウトドアやスポーツ、フード、など様々なイベントが開催されていて、日本人だけではなく外国人も多く参加しているので、イベントをきっかけに様々な外国人の知り合いができるでしょう。
-フラミンゴ
500円からの格安価格で英語のプライベートレッスンをしてくれる先生を探せるアプリです。アプリには登録している英語の先生の詳細なプロフィールが掲載されているので、自分にあった英語教師を探すことが可能です。また、英語教室ではなく街中のカフェでのレッスンとなるためよりプライベート感覚で会話の練習ができます。英会話にまだ自信がない人や、国際交流パーティー前の会話のレッスンにオススメです。
アットホームなプライベートレッスンを通して、異文化への理解や興味を深めていくのもいいですね。
・外国人が住むシェアハウスやソーシャルアパートメントを利用する
もっと日常的に外国人と触れ合う環境が欲しいという方は、外国人が住んでいるシェアハウスやソーシャルアパートメントなどに住むのもひとつの手段でしょう。シェアハウス・ソーシャルアパートメントのような物件では「国際交流」がコンセプトの物件もあり、国際交流イベントや英語のレッスンなども行われる物件もあるようです。日本にいながら外国人との共同生活はかなり貴重な経験となることでしょう。
関連記事:ソーシャルアパートメントとは?メリット・デメリットを調査
・ホームステイの受け入れ ・カウチサーフィンを利用する
自宅にいながら国際交流ができるという点では、外国人のホームステイ受け入れや、カウチサーフィンなどの利用も最近では注目されています。
-ホームステイの受け入れ
1人暮らしの場合はハードルが高いですが、家族で広い家に住んでいるのであれば、ホームステイを受け入れるという人もいます。
ホームステイ先を探す人たちのためのプラットフォームなどに掲載し、新しい外国人との出会いにつなげている人もいます。
-カウチサーフィン
カウチサーフィンとは、無料で家に泊めてくれる人を探すことができるサービスです。宿泊代が無料なのが原則となっています。アメリカでは非常にメジャーなサービスとなっており、日本でもそのサービスを利用している人が増え始めています。
ホスト側(宿泊を提供する人)にとっては様々な国々の人と国際交流ができる点がメリットであり、ゲスト側(宿泊する人)は無料で宿泊できること、旅行先の現地の人々のリアルな生活が体験できることがメリットとなっています。
「無料で宿泊」という点、本当に可能なのか疑問に思う人は多いかと思いますが、信用情報などかなり気を使ってアプリが設計されています。登録メンバーのプロフィール、身分証明書、メンバー同士のレビューによって、ゲスト・ホスト共に信用できるかの見極めができます。
ホームステイの受け入れはハードルが少し高いと感じている人には、カウチサーフィンから始めて見るのも良いかもしれません。
カウチサーフィン
外国人と友達になる時に心得たいポイント
<Gerd AltmannによるPixabayからの画像>
・「外国人と仲良くなりたい」は失礼に当たる?
誰かと友達になる時には言葉に出さなくても、“あなた”と仲良くなりたい、親しくなりたいという純粋な気持ちがあると思います。
しかし、「外国人だから」友達になりたいと思われていたとしたらどう感じますか?逆に言うと「日本人の友達を作りたいから仲良くなりたい」、もっと極端に言えば「日本語を話したいからあなたと仲良くなりたい」なんて考えられていたら、日本人だったら誰でもいいと捉えられてしまいかねません。
英語で話す機会を増やすのに外国人の友達をつくるのは悪いことではありませんが、それが目的で近づいてきていると相手に勘づかれてしまうようなふるまいをすれば、当然本当の友人関係を築くのは難しいでしょう。
外国人の友達は無料の英語の先生ではありません。純粋に英会話を学びたいのであれば、英会話教室の講師のもとに行くのがベストでしょう。
・日本人同士ではOKでも、避けたほうがいい話題も
日本人同士では気にならないことも、外国人に対しては失礼なこともあるので注意しましょう。例えば、初対面で年齢や、相手の外見について言及すること、結婚しているかどうか聞くことも失礼にあたる場合があります。日本人の間でも初対面でプライベートな内容に踏み込んでくる人はデリカシーがない人とされることが多いですが、友達の間のカジュアルな雰囲気の中でうっかり口に出してしまわないように気を付けましょう。
常に相手の立場や状況を考えて接するようにすれば、相手も故意ではないととってもらえるはずです。
・自分の価値観を押し付けない
相手に対して先入観や思い込みで話すことも偏見・差別につながるので、これも避けましょう。
あなたが思っている常識は日本独自の特別なものかもしれませんし、世界にはありとあらゆる考え方が存在しています。
結婚観や仕事観など、国によっての違いに興味を持ち合うのは良いのですが、自分の価値観を押し付けることはNGですし、当然相手の国の価値観を否定することもあってはならないことです。文化・風習の違いを認識しながら、互いの国を尊重し合うことが友情を育む上で大切なことになってきます。
・宗教・政治などデリケートな話題には注意
また、宗教や政治などのデリケートな話題には注意を払いましょう。例えば、その国の大統領や首相の報道のされ方も、国際ニュースと国内ニュースで印象が異なるケースもあります。もし、ネガティブな報道内容を聞いていたとしても、友人が熱心な支持者かもしれません。報道内容に先入観を持ちすぎず、その内容を否定せず、その話題になったらまずは友人の話を聞くことに徹しましょう。
また、宗教上の理由で食文化や生活習慣が異なることがあることも認識しておきましょう。例えば、敬虔なイスラム教徒ですと「アルコールと豚がNG」など可能な飲食物が限られます。また、宗派によって異なりますが1日数回の礼拝を日常的にやっている人もいます。旅行先であっても宗教上行っている習慣があるとすれば、日本で会う場合もこれらのことを配慮してあげると、どんな友人でも安心できるでしょう。
・日本の文化や歴史を改めて知ることも大切
普段、日本に住んでいる私たちは、自分たちの国についてどのくらい知っているでしょうか。
日本に旅行に来たり、住んでいる外国人の中にはかなり知識がある人もいますし、日本人では考えられないようなユニークな着眼点を持っていたりします。
外国人の友達とコミュニケーションをする際に、日本の文化・歴史・風習などを聞かれることもあるでしょう。
しかし、普段からこのようなテーマに関心がないと、外国人の友達に教えてあげることや自分の意見を言うのは難しいはずです。
日本についての話なのに話題についていくのが難しいとしたら「日本人なのに日本のことを全然知らない」と外国人の友人をがっかりさせてしまうかもしれません。
もし海外からの友達を日本でもてなす事があれば、事前に日本の歴史を復習し、観光名所の歴史などを調べてみるのもいいでしょう。多くの外国人は日本のどんなところに興味を持ち、どんな疑問を持っているかも事前に調べて見ましょう。
まとめ
外国人の友達を作れば、様々な文化や考え方に触れることができ自分の世界が広がるきっかけになります。その友達と親しくなることで日本という国をどう見て、感じているのかも知ることでき新たな発見ができるかもしれません。また、国際交流を通じ、多様性社会・異文化の環境の中で共存していくことの重要性を学ぶことができる点も価値ある経験となります。
来年2020年にはいよいよ東京オリンピックが開催されます。さらに多くの外国人が日本に訪れるので、日本にいながら様々な国々の人々とコミュニケーションできるチャンスです。これを機会に外国人の友達を増やしてみてくださいね!